作業の種類で答えが変わる
音楽が集中に良いか悪いかは一つに決められず、何をしているかによります。データを書き写したり整理したりする単純作業では、音楽が退屈を和らげてむしろ能率が上がります。逆に文章を読んで理解する、書くという作業では、言語を処理する場所を歌詞が一緒に使うため妨げになります。数学の問題を解く、新しい概念を初めて学ぶといった頭を多く使う作業ほど、音楽がないほうがよいことが多くなります。
勉強中の音楽が役立つかは作業の種類で変わります。最大の変数である歌詞、テンポと変化、聴き慣れた曲と新しい曲、遮音が必要な場合、合うかの確かめ方を整理しました。
音楽が集中に良いか悪いかは一つに決められず、何をしているかによります。データを書き写したり整理したりする単純作業では、音楽が退屈を和らげてむしろ能率が上がります。逆に文章を読んで理解する、書くという作業では、言語を処理する場所を歌詞が一緒に使うため妨げになります。数学の問題を解く、新しい概念を初めて学ぶといった頭を多く使う作業ほど、音楽がないほうがよいことが多くなります。
歌詞のある音楽は読み書きと直接ぶつかります。母語の歌詞ほどその傾向が強く、聞き取れない言語なら妨げは小さくなります。勉強中に音楽をかけたいなら、まず器楽曲や歌詞のない音楽から試すほうが失敗が少ないです。歌詞のある歌をピアノや弦楽器に編曲した演奏版もよい選択肢です。ただし歌詞を覚えるほど聴き慣れた曲は、演奏だけでも頭の中で歌詞が浮かんでしまうことがあるので、そうした曲は避けたほうがよいでしょう。
歌詞がなくても、曲の性格によって妨げの度合いは変わります。急に大きくなったり雰囲気ががらりと変わったりする曲は、そのたびに注意を引き寄せます。集中用には、速さが一定で音量の変化が大きくない音楽が無難です。穏やかなピアノ曲、ローファイ系の音楽、反復的な電子音楽がよく使われるのはこのためです。反対に、好きな曲でも感情を大きく揺さぶる曲は休憩の時間に聴くほうがよいでしょう。
初めて聴く曲は次に何が来るか予測できないため、注意を引き寄せます。すでに何十回も聴いた曲は背景として流れやすくなります。集中したい時間に新しい音楽を探すこと自体が集中を切る行動なので、プレイリストを先に決めておき、その時間は触らないほうがよいです。自動再生に次の曲を選ばせると知らない曲が混ざりやすいので、集中用のリストは自分で作って繰り返し再生するのがおすすめです。
カフェや事務所のように話し声が聞こえる場所では、音楽をかける理由が実は周囲の音を覆うためであることが多いです。その場合は音楽よりホワイトノイズや雨音のような情報のない音のほうが向きます。注意を引き寄せずに話し声を覆ってくれるからです。特定の周波数の音が集中力を高めるといった強い主張も多くありますが、研究の結果は分かれているので、効果を期待するより心地よい背景音くらいに考えるのがよいでしょう。
音楽は時間を測る道具としても使えます。25分ほど集中して5分休むといった方法を使うなら、集中の時間には決めておいたリストを流し、休憩の時間には音楽を止めるか別の曲に替えて、区切りを体で感じられるようにします。同じ音楽が始まったら作業を始める習慣がつくと、机に向かって気持ちを切り替えるまでの時間が短くなります。ただしこれも結局は習慣の力なので、数週間は同じやり方で続けてこそ効果が出ます。
音楽の効果は人によって大きく違います。同じ人でも、その日の疲れや作業の難しさで変わります。他人が良いと言った方法をそのまままねるより、短く比べてみるほうが確かです。
どんな音楽でも音量が上がれば妨げになります。聞こえていると気づく程度より少し低く置くのが目安です。また大きな音で長く聴く習慣は聴力に負担をかけるので、集中のためにかけた音楽が何時間も続いているなら、一度音量を確かめるとよいです。休憩のときはイヤホンを外して耳を休ませ、耳鳴りや詰まった感じが続くなら耳鼻咽喉科で診てもらってください。